16日はスポーツ・インサイドの取材で武蔵野線新秋津駅から徒歩5分の傍士接骨院へ。今回予定しているテーマはスポーツ傷害。
これでも私、自称接骨院マニア。中学時代から陸上競技を続けているのだが、走り方が悪いせいか、常に脚のどこかしらに痛みを抱えていた。スポーツをやっている人間にとって、やはり怪我とは一日でも早く治したいもの。近所で新しく開業したり、良いという噂の接骨院はすぐに試してみた。今でも接骨院の診察券は5枚ほど持っている。
しかしこの傍士接骨院のような所は今まで見たこともなかった。診察室に入ってまず驚いたのが、部屋のスペースの3分の1が筋力トレーニングの器具で占められていること。簡単なリハビリ用の器具を置いている接骨院はいくつか見たことはあったが、本格的なスポーツトレーニングにも使われるような器具をこれだけそろえている接骨院はお目にかかったことも聞いたこともなかった。
傍士接骨院ではスポーツ傷害、またはその他の怪我の予防にも筋力トレーニングを推奨している。どのような筋トレを行なえば効果があるのかということも、傍士先生がきちんと指導している。当然電気治療なども併せて行なっているため、傍士接骨院の患者さんは治療と予防を一度に行なうことが出来るのだ。また患者さん以外でも、体を鍛えたいという人は一回500円でここにある器具を使って、筋トレを行なうことも出来るという。
インタビューでも、話の中心は筋トレになった。これまで世の中の筋トレに対する考え方がいかに間違っていたか、そして筋トレが持つ可能性の大きさについてなど。傍士先生の声にも段々と熱がこもってくる。最後には実際に器具を使って、いくつか筋トレの正しいやり方を教えていただいた。これまで自分が漠然と行なってきた筋トレが、実は全く効果の無いものだったことを知りショックを受ける。筋トレは奥が深い。
インタビュー後は、傍士先生からパワーリフティングというスポーツについてのお話を伺う。過去には格闘技、現在でもマラソンやトライアスロンに参加されている傍士先生。実は数年前までパワーリフティングの世界チャンピオンである三土手大介選手が通っていたジムで体を鍛えていたという。現在筋トレによる予防法を患者さんに指導する際も、このとき学んだことが役に立っているそうだ。スポーツは時に体を傷つけるが、時に体を守方法を教えてくれるのだ。
「これからは高齢者の怪我を予防するために、機能回復訓練を取り入れる所がもっと増えてきます。ちょっとしたものでしたら筋トレの器具を置く所も出てくるかもしれません」
超高齢化社会を迎えるであろうと言われているこれからの日本にとって、医療費軽減のためにも高齢者の怪我に対する「予防」はますます重要なテーマとなってくる。もちろんスポーツ選手にとっても怪我の予防は、技術を磨くのと同じくらい重要だ。筋トレと接骨院。体を鍛える場所と体を治す場所。両者は切り離して考えるのではなく、これからは同じ体に関するものとして、総合的に考えていく必要がある。
近い将来、傍士接骨院のようなところがもっと増えるかもしれない。