休みの日 太陽ポカポカ いい気持ち
そう一句読みたくなるほど、さわやかな秋晴れ。絶好の行楽日和。というわけで、僕も久々にのんびりしようと葛西臨海公園へ…仕事に行きました。貧乏ラジオ番組にのんびりしている暇などあるわけないのです。
と言うわけで、この日は葛西臨海公園のすぐそば、江戸川区臨海第2球技場へ「2006 三井物産杯 ティーボール関東選手権大会」の取材に行きました。もちろん12月放送の番組の取材です。来月のピックアップチームは、
東大和リトルリーグ。過去には楽天のエース・岩隈久志投手も在籍していた、名門チームです。
あれ、ティーボールっていうスポーツの取材じゃないの?と、今思った方もいらっしゃるかもしれません。実はティーボールというのは、誰でもボールを打つ楽しさを味わえるようにと考案された、ピッチャーのいない野球なんです。
野球の練習でティー・バッティングと言って、ボールを筒のようなものに乗せて打つ練習がありますよね。ピッチャーの投げるボールの代わりに、そのティーと呼ばれる筒に乗せたボールを打ってゲームを行うのが、このティーボールなんです。
野球を始めたばかりの子ですと、ピッチャーの投げたボールが打てずに、どうしても野球を楽しめない子も出てきちゃいます。でもティーボールは、誰でも簡単にボールが打てます。小さい頃はティーボールで野球の楽しみを覚えてもらい、ある程度経ってから本格的に野球を始める。今ではそんなチームも結構あります。ちなみにこの大会に出場していたのは、主に小学校3年生。彼らにとっては、この大会が最後のティーボールの公式戦となります。
で、結果から言うと、東大和リトルは見事優勝!最後の大会で、関東ナンバー1に輝きました。最初のハイライトは準決勝。相手は一度も勝ったことがないという調布リトル。その機敏な動きは、とても小学校低学年とは思えません。さすが優勝候補。二回表に2点を先行され、正直厳しいかと思いましたが、四回裏。ついに東大和リトルのバットが火を噴きます。一挙に4点を奪い、5対2で逆転勝ち。お母さんたちの中には、もうここで泣いている方も…。それほど劇的な試合でした。
東大和リトルの勢いは決勝でも止まりません。相手は普段からよく一緒に練習をしている東京日野リトル。最近は連敗中とのことですが、選手たちは臆することなく、2回表には満塁から、一、二番の連続ツーベースで4得点。三回裏に2点を返されますが、安定した守備で以後追加点を許さず、4対2で念願の初優勝。
最後のバッターをアウトにした瞬間、選手たちはもちろんですが、観戦していた父兄の皆さんはもう狂喜乱舞。その盛り上がりぶりは、阪神ファンも真っ青というくらい。ずっとお子さんの成長を見守ってきたお父さん、お母さんにとって、この日はきっと忘れられない一日になるでしょう。
大会を見ていて感じたのは、普通の野球よりも守備、走塁がポイントになるということ。ピッチャーがいないため、バッティングの良し悪しと言うものは、あまり目立ちませんでした。ポイントとなるのは、相手の打った球をどれだけミスなくさばけるか。ミスした方が負ける。そんな野球の鉄則が、より鮮明に見えてくるスポーツだと思いました。
そして相手のミスを誘うという意味では、積極的な走塁が重要になってきます。関東大会に出てくるだけあって、小学校3年生でも、ボールを取る、正確に投げるという基本は、本当にしっかりしていました。準決勝以降、守備が乱れるとすれば、複数の人数が絡んでくる連係プレーやカバーリング。逆に言えばそれくらいしか、相手がミスをする機会はないということになります。積極的な走塁で、そういう場面を多く作り出す。特に準決勝では、それが勝因のひとつになったのかと思います。
守備や走塁というのは、地味な部分ではあります。多分子どもたちは、打つ方や、ピッチャーとして投げる方に魅力を感じているのではないでしょうか。しかし、これらは野球においても、非常に重要な要素です。今年の日本シリーズでも、そこが勝負の分かれ目になりました。そういう意味では、ティーボールには幼い頃から、守備や走塁の意識を高められるというメリットもあるのではないでしょうか。
とまあいろいろ書いてきましたが、ティーボールには、思った以上に様々な可能性がありそうです。11月3日、文化の日。ティーボールという新しい文化を目の当たりに出来た、非常に有意義な一日でした。